フランスワインは、生産地による味わいのヴァラエティが豊かでそれぞれが個性的です。
世界でもっとも有名なワイン産地であるボルドーは、他の生産地のワインにない調和のとれた個性と芸術的ともいえるエレガントさをそなえたワインを生み出します。
さまざまなライフシーンのなかで私達の食事や人生を潤すボルドーワインの魅力は自然と人とが長い歴史のなかでつくり上げた文化です。
ボルドーを知ることはワインを知ることであり、ボルドーワインを楽しむことは人生を豊かにすることでもあります。
ワインの個性を決定するもっとも重要な要素は、土地や気候などの自然に由来するものでテロワールと呼ばれます。
ぶどうが栽培されワインを産み出す土地がどのような位置にあるか、どのくらいの高さにあるかによってワインの性格は大まかに形づけられます。
ボルドー地方はフランス南西部に位置し、大西洋に面した標高の低い位置にあるため、気候は温暖です。
地中海に面した暑い地方や、葡萄栽培の北限となるシャンパーニュ、標高の高い山岳地帯の寒冷な地方で造られるワインとは性格が異なります。
さらに土地の傾斜や向き、土壌の種類などが地域よって異なることや、毎年の気候の変動からワインはさまざまな個性をもつことにます。
こうした自然の与えるテロワールのもつ魅力を最大限にワインに反映するため、人々はぶどうの品種を選び、栽培、醸造、熟成を行い、ワインが作られるのです。
ワインの品質を守る規則
フランスでは、生産地に適したワイン造りが行われ、消費者が安心してワインを楽しめるように、品質レベルによってワインを「AOC」「IGP」「地理的表示の無いワイン(vinssans lG)」に区分されています。
ボルドーワインには63のAOCがあります。
A.0.C. Appellation d'Origine Controlee
I.N.A.O(全国原産地名称研究所)によって1935年から行われているもっとも規則の厳しいカテゴリーで原産地統制名称と訳されます。
A、0、C.は、地方レベル(ボルドー、ボルドー・シュペリウール)、地区レベル(オーメドック、アントル・ドゥー・メールなど)、村レベル(サン・ジュリアン、ポムロールなど)すべてのクラスで同じように規制されています。
生産地域、認可ぶどう品種、栽培と醸造条件(植樹密度、剪定方法、補糖、使用してよい道具など)、haあたりの最大収穫量、アルコール度、ラべルの表示条件が規定され最終的には分析、官能検査により適正が認可されます。
注)EUのワイン法では、「AOC」は、「AOP(Appellation d'Origine Protegee」と称されます。