良質のワインは良質のぶどうから造られる

ぶどう

11月から3月(冬~春)

良質のワインは良質のぶどうからしか造ることができません。

ワイン造りはぶどうの栽培から始まります。

11月から3月までのぶどうの樹液が流れない期間に剪定の作業が行われます。

剪定はぶどうの成長と結実のバランスをとり充実した果実を得るために欠かせない作業です。

剪定の形には、ボルドー方式またはメドック方式と呼ばれる、二本の枝を扇状に仕立てるエバンタイユや、収穫量を少なく制限できるグイヨー・サンプル、グイヨー・ドゥーブル、水平に二本の主枝を残すコルドンなどがボルドーでよく見られます。

3月になると、樹は冬の長い眠りから目覚め、新しい生長サイクルが始まります。

ぶどう

樹液が上がってきて、剪定の切り口から滴ります。これを「ぶどうの樹の涙」と表現します。

その後萌芽が見られ、芽が大きくなり将来の枝が見えてきます。

この時期、生産者は特に春の霜を恐れます。

この時期に霜に襲われると、1991年の春のようにぶどうの品質に大きな影響を受けます。

萌芽から開花までに、生産者は芽かきを行います。

最初の枝と花穂が出てくると、病気や害虫から樹を守るために、病虫害防除のための措置を行います。

枝は毎日約5cm~15cmと早いスピードで仲びるので針金に誘引します。

5月(初夏)

5月に入ると開花し、収穫量、品質、収穫日に直接影響を与える時期になります。

この段階がうまくいくかどうかは、気候条件にかかわっています。

受粉期に寒かったり雨が降ったりすると、花ぶるいをおこしてしまいます。

開花が終わると結実の段階に入り、果粒が大きくなります。

実が最も熟すのは、ボルドーのメルロの場合、一般的にこの110日後です。

開花までのこの時期、樹は特に病虫害を受けやすいので、樹に病虫害防除の対策をしますがここ数年、本当に必要な量だけを使うという努力が認められてきているので、過剰な量は使わず、必要最低限の量だけを使います。

7,8月(夏)

7,8月はその年の品質の重要な鍵を握る時期です。

天候という自然にまかせる時期で生産者はほとんどなすすべがありません。

ぶどうの果実に充分な陽があたるように摘葉を行い、実が多すぎる場合摘房を行います。

色づきの時期になると、果実の色が変わり、成熟が始まります。

この期間がどのくらい続くかは天候次第であり、収穫の品質にも影響を与えます。

この時期、生産者は収穫の準備に入ります。

完熟して、灰色かび病にかかっていない健全なぶどうを収穫するために最良の時期を選ぼうと心を配ります。

収穫日の決定は簡単なことではありません。

収穫

収穫は完全にぶどうが熟した状態を見きわめて行われます。

果実の中の糖分や酸度のバランスが重要ですが、最近ではフェノール類の成熟度なども考慮し収穫日を決定します。

健全で傷ついていない果実を選んで手摘みを行う場合と機械で収穫を行う場合があります。

有機栽培(ビオロジック)とビオディナミ

近年では農作物の有機栽培が一般化しぶどうの栽培も自然であることが求められるようになり、ビオロジックで栽培されるノぶどうが多くなりました。

ビオ ぶどう栽培

ビオディナミは月や星の位置などによる自然現象とそのリズムなどを大切にした栽培方法でボルドーでも採用する栽培家が増えています。

一方で健全なぶどうを得るために最低限度の化学的処置を施す必要があるという考え方もあり、リュット・レゾネ(減農薬農法)などと呼ばれています。

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