
ワインどころ勝沼
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ぶどうの丘から見下ろすと、丘を囲むようにぶどう畑が一面に広がりその広がりは、東から南にかけて壁のように連なる山裾まで延び、春から夏にかけては目に染みるような緑の絨毯に、そして秋にはぶどうの品種毎に微妙に異なる紅葉の景観は、如何にもぶどうの産地勝沼ならではのものです。
勝沼町は甲府盆地の東に位置する人口1万人に満たない小さな町ですが、この町はぶどうの産地として、またワイン生産地としても古くから全国の人々に親しまれてきました。 |
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町内には33社のワイナリー(醸造場)があり、ワインの仕込みに入る秋には芳しい新酒の香りが町を包み、その年の初仕込みを祝ってワイン祭りがあちらこちらで開催されると、町中が華やいだ雰囲気になり小さな町が観光客であふれる程になります。ワイナリーは一年中工場見学が可能(一部できない工場もあります)で、見学のコースではワインの製造工程の説明を聞く事ができ、質問などにも答えてもらえます。
余裕があればワイナリーに足を運び、見学やワインの試飲を楽しむことをお薦めしますが、時間に余裕がない時などは町営のぶどうの丘でワインを購入することもできます。町内22社のワイナリーのワイン、およそ152銘柄が整然とストックされている様子はとても見事なものです。 |
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勝沼のワインの歴史は明治10年に醸造場が造られていますから、およそ135年程の歴史になります。当時、ワイン造りに関しては未知の領域のため、ワインの醸造やブドウ栽培等を学ぶために2人の青年がフランスに向け旅立ちました。土屋龍憲、高野正誠の2青年は僅か1年半の短い渡仏生活の中で、語学の不自由さを克服してぶどう栽培とワインの醸造を学びました。このひたむきな姿勢と使命に燃えた情熱が、勝沼のワイン造りの礎となっています。当時の記録はメルシャンワイン所蔵のワイン資料館に醸造器具と共に展示されています。古き醸造器具を目の当たりにするとその昔先人達のぶどう酒造りに賭けた情熱が、1世紀という長い時の流れを飛び越えて静かに語りかけてきます。 |
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この時代の醸造品種は、甲州ぶどうと赤品種はアジロンダックというぶどうが使用されていました。現在は甲州ぶどうの他に新品種やヨーロッパ系の醸造品種から、多種類のワインが醸造されています。
ワインの醸造技術の進歩とワイナリーの近代化(近代的設備)などにより、勝沼で造られるワインが国内外で催されるワインコンクールの場で、高い評価を受けています。
赤ワインではカベルネ・ソーヴィニヨン種、メルロ種のワインなど。また白ワインではシャルドネ種や勝沼の伝統品種である甲州種のワインなどが、多くのメダルを獲得しています。 |
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ワインは価格に幅がありますが安価で美味しいワインもたくさんあります。価格の違いの一つとして、収穫量の少ないぶどうを原料に、長時間をかけてじっくり熟成させたワインはやはり高価ですが、逆に収穫量の多いぶどうを原料に、早期に飲めるフレッシュタイプのワインはリーズナブルな価格で販売されています。
どんなワインを飲みたいのかで決めることが、ワインを選ぶ際のポイントになります。
赤ワインはタンニン(渋み)を含んでいますから辛口ですが、ボディのランクにより渋みの含まれる量が違います。一番多く渋みを含んだものがフルボディ、中間がミディアムボディ、渋みの少ないものがライトボディです。濃厚な口当たりのワインを求めるなら、フルボディを、サラッとした軽い飲み口ならライトボディがお薦めです。ワインの裏ラベルにタンニンのランクと合わせて飲用温度も示されていますから、これを目安に1本のワインをより美味しく飲むための基準にすることができます。 白ワインの場合は発酵の際、果皮と種子を取り除き果汁を発酵させますので(赤ワインは種子、果皮も一緒に発酵)赤ワインのようなタンニンは含まれず、タイプも甘口から辛口まで揃っています。また、巨峰、甲斐路、ナイアガラ、コンコードといったとてもフルーテイーなワインは、若い人達や女性に人気があります。ワインを飲み慣れてない人にはお薦めのワインです。その日の気分に合わせて軽く楽しんだり、またとっておきのワインでゆっくりと寛いでみたりとワインが与えてくれる時間を楽しんでみて下さい。 |
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ワインの楽しみ方の1つに記念年に合わせたヴィンテージワインの購入というのがあります。例えば結婚の年、子供の誕生年等、大切な思い出の年に造られたヴィンテージワイン(ぶどうの収穫された年であり、当たり年をあらわす)を購入して置き、子供が成人を迎えた時にプレゼントするとか、或いは何年か後の結婚記念日に開けるワインはお洒落な脇役になるでしょう。
ワインを飲用していくと、私達に深い感動を与えてくれるワインとの出会いがあります。それはぶどうの持つパワーと醸造家の情熱が1つに結集したワイン。このようなワインと出会った時は心まで酔いが回ります。
好みのワインを探し歩く行程はどこか人探しの旅に似ています。出会いのその瞬間をワインは息を潜めて待っているかもしれません。 |
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勝沼でのワイン探しの旅、どうぞ実感してみて下さい。 |
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お話:河野一美(日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー)
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